真の政治家とは?石破茂氏が問いかける、日本の未来への責任
「真・政治力」は、2013年に発行。
自民党が下野し、民主党政権が誕生した2009年から、自民党が政権に返り咲いた2012年までの3年間の政治状況や、今後の日本が進むべき道を、石破氏自身の経験や考えを交えながら解説した一冊です。
なぜ自民党は国民から見放されたのか?~「殿様商売」からの脱却~
第一章では、自民党がなぜ国民から見放されたのか、その原因について考察しています。石破氏は、長年政権を担ってきた自民党が、国民不在の「殿様商売」に陥っていたと指摘しています。国民の声に耳を傾けず、自分たちの都合ばかりを優先する姿勢が、国民の不信感を招いたと分析しています。
石破氏自身も、かつては自民党本部で働く人々の対応に違和感を覚えていたと語っています。まるで「殿様」と「国民」のような関係になってしまっていた自民党の姿は、まさに「客」である国民を軽視したものであったと言えるでしょう。
マスコミの責任を問う前にやるべきことがある!~政治家の責任と勇気~
マスコミの自民党に対する報道姿勢にも厳しい目を向けながらも、石破氏は、自民党が国民から嫌われたのは、決してマスコミだけの責任ではないと断言しています。たとえ耳の痛い批判やネガティブな報道があったとしても、まずは真摯に受け止め、自分たちの非を認め、改善していくことが重要だと訴えています。
「政治家は、真実を語る勇気と、国民に理解してもらおうとする真心を持たなければならない」という石破氏の言葉は、政治家としての責任と覚悟を感じさせます。
小泉改革の「光と影」~改革の先送りが招いた危機~
小泉改革によって自民党は一度は延命したものの、根本的な問題解決には至らず、結果的に改革を先送りしてしまったと、石破氏は指摘しています。「あの時、改革を断行していれば…」という後悔の念は、政治家としての責任感の強さの表れでしょう。
「想定外」は許されない!~現実と向き合う政治を~
東日本大震災や福島第一原発事故を教訓に、石破氏は「想定外」という言葉で逃げることなく、現実と向き合い、危機管理能力を持った政治の必要性を訴えています。特に、原発の安全対策については、諸外国では軍隊が警備している例を挙げながら、日本も自衛隊による警備体制の強化が必要だと主張しています。
国民が求めるリーダー像とは?~嘘をつかない、汗をかく政治家~
石破氏は、国民が求めるリーダー像は「嘘をつかない人」であると断言しています。
国民に耳障りの良いことばかりを並べるのではなく、時には厳しい現実を突きつけながらも、誠実に説明し、国民の理解と協力を得ながら、未来を切り開いていく政治家こそが、今の日本に求められているのではないでしょうか。
まとめ
石破氏の政治に対する真摯な姿勢、そして何よりも日本の未来を憂う気持ちがひしひしと伝わってくる本でした。「国民のために汗をかく」という政治家としての原点を改めて考えさせられました。
本書は、単なる政治評論ではなく、石破氏自身の経験や考え、そして政治家としての信念が込められた一冊です。政治に興味のある方はもちろん、これからの日本の未来を担う若い世代にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
本の目次と要約
第一章 なぜ自民党は嫌われたのか?
この章では、自民党が国民から支持を失った理由について考察されています。石破氏は、自民党が国民の声に耳を傾けず、「殿様商売」のような状態に陥っていたことを批判しています。そして、国民不在の姿勢を改め、「お客様」である国民への「商いの心」を取り戻す必要性を訴えています。
第二章 もう偽物はいらない、本物の政治を取り戻す
この章では、東日本大震災や福島第一原発事故を踏まえ、日本の安全保障政策やエネルギー政策について論じています。「想定外」という言葉で逃げることなく、現実と向き合う必要性を強調し、特に原発については、諸外国では軍隊が警備にあたっていることを例に挙げ、日本も自衛隊による警備体制の強化を提言しています。
第三章 国民が求める理想のリーダー像とは
この章では、国民が政治家に何を求めているのか、真のリーダーシップとは何かについて考察しています。石破氏は、国民に耳障りの良いことばかりを並べるのではなく、時には厳しい現実を突きつけながらも、誠実に説明し、国民の理解と協力を得ながら未来を切り開いていく政治家こそが求められていると述べています。
第四章 今こそ考える、真の政党とは、真の政治家とは
この章では、政党のあり方や政治家としての責任について、石破氏自身の経験を踏まえながら論じています。自民党を離党した経験にも触れながら、政党が明確な理念や政策を持つことの重要性を訴え、政治家には「勇気と真心をもって真実を語る」ことが求められると主張しています。
関連リンク
石破しげるオフィシャルサイト:プロフィールに注目!70年代のアイドルが好き。
イシバチャンネル:趣味についても語っており、石破氏の人となりが分かる。
石破茂オフィシャルブログ:週1回のペースで書かれており、読み応えのあるブログ。
石破茂 X(Twitter):フォロワーは20万人を超えるが、更新頻度は少なめ。
石破茂 Instagram:石破氏の政治活動が写真で楽しめる。